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ベスト8 EYES

全日本大学野球選手権大会

2014-6-13

ベスト8

福井工業大学vs愛知学院大学1 - 2

 

この試合、紹介したい選手がいる。9回代打で登場した福井工業大の松原だ。

松原は1点を追う9回、ノーアウトランナー1塁の場面で登場した。5番高山の代打だったのだが、私はこの時「ベンチはこの日の高山は安打こそあれ、相手ピッチャーに対してタイミングが合わず調子が悪いと判断し、打力のある選手を送り出したのだ」と思っていた。

しかし、松原は違ったのだ。つまり、送りバント要員だったのだ。

この緊迫した場面でのバント。松原の緊張感が球場全体に伝わるのが分かった。恐らく5番に代打を送って、送りバントのサインを出すということは、本来は余程バントが上手い選手なのだろう。

しかし、場面によってはいつも通りにいかない場合がある。そんな場面だった。

ファーストストライクを送りバントするもファールに。その後も送りバントを試みるもファールになり、追い込まれてしまう。

追い込まれた後のベンチの指示はスリーバント。5番の代わりに送りバントのために出した選手なのだから当然といえば当然の選択であるが、松原のスリーバントは無情にもキャッチャーファールフライになった。結局、代打策は失敗に終わってしまった。

このプレーがこの試合のポイントとなったかと言えば、そこまで言い切れないが、それでもこのプレーがこの試合一番印象に残った。

試合序盤などであれば、もしかしたら松原は難なく送りバントを決めていたのかもしれない。しかし、このような場面で決めるか決めないかは、勝ち上がれば勝ち上がるほど、試合を左右するプレーとなる。

相手チームもここはバントと分かりバント守備体系の中、しかも緊迫した試合終盤での送りバントは、プロでも難しい場面ではないかと思う。だが、それでも決めなければならない時がある。

このような場面でのバントはそうそうあるものでもない。ということは、普段の練習から普通のバントではなく、このような緊迫の場面を常に想定し、自分自信にどれだけプレッシャーを掛けた中でバント練習ができるかがこれからの鍵になってくると思う。

松原にはこの悔しさをバネに、様々なシーンを想定した練習を重ね、秋のシーズンでは与えられた場面できちんとランナーを進塁させ、自分の役割をきっちり果たす事で、是非チームに貢献して欲しいと思う。

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