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ベスト8 EYES

春季東京都高等学校野球大会

2014-04-26

準決勝

成立学園高校vs日大鶴ヶ丘高校3 - 0

 

この試合の主役は何と言っても、成立学園のエース木寺だ。

8回1死までノーヒットピッチング。日大鶴ヶ丘の代打西田に初ヒットを許すも、後続をしっかりと打ち取り無得点に。 9回2本目のヒットを許すも、結局2安打の完封勝利。与四死球も3つと、対戦した日大鶴ヶ丘に隙を与えない申し分ない投球内容だった。

木寺は、165cmと決して恵まれた体格ではないが、左腕から繰り出されるストレートはキレがよく、打者は実際に打席に入った際、ベンチから見ている以上に球の伸びを感じているのではないかというような球を投げ込んでいた。また、変化球のキレ、コントーロールもよく、四球で大崩れしないタイプのピッチャーだ。

ストレートの球速が140km以上出る豪速球の持ち主では決してないが、ストレートと変化球のバランスがよく、簡単には打ち崩すことが難しいピッチャーだと思う。前回の二松学舎大附戦の完投した投球を見ていてた。

その時にも、小柄ながらテンポがよく、守っている選手がリズムを作りやすい、良いピッチャーだなとは思っていたが、準決勝でこれ程の投球をするとは正直思っていなかった。最後の夏にはまだ時間があるし、伸びしろもあると思うので、これからどこまで成長するか楽しみな選手の一人だ。

この試合のポイントとして挙げたいのは、やはり8回初ヒットを許した後の木寺の投球だ。1点差だったことを考えると、そこまでノーヒットノーランのことを意識していたかはわからないが、少なからず多少のショックはあったと思う。しかしながら、その後も自分のペースを乱すことなく、無得点で切り抜けたマウンドさばきは見事だった。

成立学園は安打数こそ5安打だったが、10個の四死球を選んでいたことを考えると、もっとエースの木寺を楽にさせてあげることは出来たと思うが、8回までは1点しか奪えなかった。そんな状況にも0点で辛抱強く投げていた木寺は間違いなくこの試合を作ったと言える。9回のツーランホームランも、8回ノーヒットノーランを逃しながらも、その後ときちっと抑えた木寺が呼び込んだホームランだったと言えるかもしれない。

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