ベスト8 EYES

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春季東京都高等学校野球大会

この試合、失策が関東一に一つ出たが、全体的には両チーム、非常に固い守備で投手を盛り立てていた。お互いにダイビングキャッチなどのスーパープレーが出たり、取るべきところでダブルプレーをしっかり取ったりと安定した守備が印象的だった。

攻撃に関しては、安打数では関東一が8本に対して、修徳は6本とあまり差はないが、与えた四死球が関東一の羽毛田が0に対して修徳の上島が8個と、この差が関東一を優位に立たせてしまった。

しかし、関東一は毎回ランナーを出し、そのうち得点圏までランナーを進めたのは8回という数字を考えると、修徳はなんとか関東一の攻撃を凌いで食らいついた試合とも言える。そんな試合でのキーポイントは6回同点から関東一が勝ち越した羽毛田の打席だ。

関東一のエース羽毛田はこの試合も9番だった。しかも、1、2打席は左打者として打席に立っていたのだ。
昨年秋の大会でも、今春の選抜大会でも右打者として登録している。その羽毛田が1、2打席では左打者として打席に立っていたのだが、6回の3打席目に右打者として打席に立ったのだ。

このことに修徳は気づけていたのだろうか。私が推測するに、投手としてはチームの柱である羽毛田だが、こと打撃に関しては力が劣り、右打席ではなかなか結果が出ず、練習で左打席に立ちこの大会で試していたのだろう。しかし、あまりにも1、2打席ではタイミングが合わないので、本来の右打席に変えた。そんなところだろう。

そういうことを考えると、羽毛田にはこの試合、打撃に関しては迷いがあり心理的にはヒットを打てる可能性は限りなく低かったと思う。もちろん警戒していてもヒットを打たれる可能性は十分あるが、タイミングが合っていなかっただけに、もっと見下ろしてボール球を振らしていくくらいで良かったと思う。結局、羽毛田は次の打席でも右打席に立ちセンター前ヒットを放っている。

ある意味、修徳は最も打たれてはいけない打者に打たれてしまったのだ。しかも、これが決勝点になってしまった。このポイントを乗り切っていれば、同点のまま終盤に持ち込むことができ、関東一の焦りを誘えたかもしれないと思うと、非常にもったいない場面に感じた。

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