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ベスト8 EYES

第44回 明治神宮野球大会(大学)

2013-11-18

ベスト8

中部学院大学vs桐蔭横浜大学5 - 10

 

試合の結果だけ見れば前年度の覇者横浜桐蔭大学の圧勝に見えるが、終盤までは完全に中部学院大学のペースだった。 あと少しで金星を掴みかけていただけに、中部学院大学にとっていは非常に悔しい試合となった。

この試合のポイントを先に挙げておきたい。
7回裏、3点を追う横浜桐蔭大学の攻撃、ノーアウトランナー1、2塁の場面だ。

2番大嶌の送りバントはピッチャー正面へのバントとなってしまった。中部学院大学のピッチャー齋藤は迷わずサードへ送球。 送球もほぼ完璧で完全にアウトのタイミングであったが、サードの大杉が捕球し損ねてボールを後ろに逸らしてしまい、2塁ランナーが返り2点差に、さらに同じくノーアウトランナー1、2塁の場面を作ってしまった。

ここで完全に流れが変わってしまった。横浜桐蔭大学にとってはラッキーな、中部学院大学にとっては非常に悔いが残る大きなプレーだった。

ピッチャー齋藤の送球をサードの大杉が捕球していたら、横浜桐蔭大学は大きなチャンスを潰しかねないプレーとなりショックは大きいものになっていただろう。あくまでも結果論ではあるが、次打者の3番甲川は四球で歩くも、4番福井、5番喜納を打ち取っているので、無得点で7回の攻撃が終わっていたことを考えると、完全に試合を分けるプレーとなってしまった。

もう一つ、この試合に大きな影響をもたらした好プレーを挙げておきたい。 中部学院大学が3点リードしていた5回表のツーアウトランナー1塁、横浜桐蔭大学セカンド甲川の守備だ。

中部学院大学の7番武田のライト前へ落ちそうな打球に対し、背走しながらそのままスライディングしてキャッチ。まさにスーパープレーだった。これがヒットになっていれば大きなピンチを迎えていただけに、本当に大きなプレーだったと思う。

最後にこの試合で印象に残った中部学院大学の先発齋藤について書きたい。

齋藤は、毎イニング帽子をとって一礼してから、マウンドに上っていたことだ。彼にとっては毎回の当たり前の儀式なのだろう。 斎藤は身長169cm、体重67kgと小柄で、ストレートはだいたい130km前半と決して目立つような選手ではなかったでけに、マウンドに上がる前の儀式を見ていると、余計に何か応援したくなるような選手に感じた。

その小柄な斎藤が左腕を振って、7回途中まで前年の覇者横浜桐蔭大学を抑えていただけに、悔しい思いをしたと思う。この明治神宮大会の悔しさを返せるのは、同じ明治神宮大会のこのマウンドだと思うので、まだ2年生の斎藤は来年また戻ってきて欲しいし、悔しさをバネに来年一回り成長し躍動する斎藤の姿を見てみたいと強く思った。

また、大事な場面でエラーをしてしまった中部学院大学1年生大杉も、この経験を無駄にせず大きく成長して欲しいと心から願う。

試合詳細はこちら