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  • 第44回 明治神宮大会(高校) 今治西高校 vs 八戸学院光星高校
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ベスト8 EYES

明治神宮大会(高校)

2013-11-19

ベスト8

今治西高校vs八戸学院光星高校5 - 1

 

実はこの試合、試合前からこのような展開になることは十分に予想できたものだった。
それは試合前の好対照な準備を見てそう思ったのだ。

準備のことの前に、特に印象に残っていることがある。それは今治西の規律だ。監督からの指示を仰ぐときは直立不動。返事は球場中に響くくらいの声。ノックを受ける時は、ノックを受けている以外の選手もみんな中腰で声を出す。練習の合間は猛ダッシュ。などなど挙げればきりがないが、とても統制が取れているチームが印象的だった。

準備のことに戻るが、試合前に両チームが行っていたベンチ前での簡単なノックに、両チームの差が垣間みれた。 どちらかというと八戸学院光星の方が動きが軽快でパッと見上手く見える。ただ気になったのが、上手いけれど簡単にノックを受けすぎていて雑だったこと。つまりポロポロとボールを落とす選手が多かった。

反対に今治西の方は、1球1球丁寧すぎるくらいにしっかりとボールを捕球し、一見動きが固く見えた。ただ、明らかに意識のレベルは今治西の方が高かった。恐らく今治西はノック以外の一つ一つの練習に対しても、意識を高く取組んでいることが予測できたし、この両チームのノックを見たとき、試合展開によっては大事な場面でこの練習の差が出ると感じていた。そうして試合が始まった。

予想したことは早速3回に現れた。先頭バッターの打球をショートが良く追いつくも送球がそれる。そのカバーに入ったセカンドの送球もランナーに当たっしまい、エラーが2つ重なりいきなりノーアウトランナー3塁にしてしまう。今治西はこのチャンスをきっちりものにして、貴重な2点目を奪う。

その後も八戸学院光星の失点はことごとくエラーが絡んでしまった。この試合のポイントは、試合前の準備の差で決まっていたように見えてしまうくらい、準備に差があったことは事実だ。

一方、八戸学院光星には攻撃力に魅力を感じた部分はあった。この試合では1点とまりだったが、各打者のスイングスピードが早くパワーを感じさせた。打線が波に乗ったときは手を付けられないような雰囲気があった。しかし気になったのが、試合全体を通してあまり工夫が感じられず、ポップフライが多かったこと。結果として今治西を助けてしまっていたように感じた。

もう一つどうしても書いておきたいことがある。それは今治西の走塁だ。

内野ゴロでも1塁まで全力疾走。ここまでは普通だが、駆け抜けて5メートルくらいで必ず止まって振り返る。つまり相手が悪送球などでミスをした時、すぐ次の塁を狙えるようにしているのだ。何試合かに1回あるかないかのプレーだが、その時に備えて全員徹底している。

ヒットを打っても1塁を大きくオーバーランをして、少しでも中継プレーが乱れれば2塁を狙うという姿勢も常に見せる。

このように一見地味ではあるが、1点を争うような競った試合では試合を左右するようなプレーを常に準備して走塁をしているのが本当に印象的だった。

これは決して強くないチームでも、取り組みによって修得することが出来るので、是非他のチームは見習って欲しいと強く思った。この今治西の走塁を参考にすると、より一つ上に行けるチャンスをものにできるのではないかとも感じた。

八戸学院光星の選手達は今治西を見てどう感じただろうか。是非プラスに受け取って、この冬大きく成長して欲しいと思った。

試合詳細はこちら